テキサス研究留学日記

テキサスに放牧された大学院生が博士号を取るまでの奮闘記と、その後の話。

2017年の抱負

あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

 

一年の計は元旦にあり。しかしながら今年は区切りの年であり、今年の目標をどうしようかと悩みに悩んで三日が経過しつつあります。

 

これまでの軌跡を振り返り、自分の人生の在り方を再度考えました。

2009年「貪欲」

2010年「自分への投資」

2011年「夢を叶える」

2012年「準備」

2013年「自分との闘い」

2014年「原点回帰」

2015年「殻を破れ」

2016年「挑戦」

大学生活、大学院生活と、何か結果を残すか、インプットするために身も心も削ってきたように思います。もちろん、それで満足に近い成果をあげられました。しかしながら、改めて振り返ると、自分の学生生活は、絞りきった雑巾のようにも思えました。努力の証である一方、一抹の哀しさをを覚えました。

自分が楽しい人生とは何か、充実した人生とは何か、喜びとは何か、自分らしさとは何か。

仕事、家庭、趣味の三要素のバランスを最適化し、自分の幸福度を最大限にする年としたい。

そんな思いから、今年のテーマを「"自分らしさ"をみつける」としたいと思います。

 

以下、3つの要素についてそれぞれの目標を立てます。今年からの要素は、学業→仕事、人間活動→家庭、趣味に変更しました。

 

 

◎仕事

(1)新しい研究テーマに挑戦

(2)指導教員を共著に含まない論文を年内にsubmit

(3)08:30までに出勤、19:30までに退勤を200日以上達成

博士号を取得して、いよいよ(本当に)研究者としての第一歩を踏み出します。せっかく自由に研究テーマを決められるわけだから、何か今までとは違う新しいテーマを研究したいと思います。そうすれば、新しい知識を求めて勉強できますし、自分の得意分野にもう一本柱を立てられれば期待します。

また、研究者として独り立ちするためにも、指導教員の名前を含まない論文を出すことが当面の目標となります。

さらに、これまで犠牲にしてきた自分の自由な時間を確保するために、仕事の時間を制限し、効率を最大化する努力をします。これはテキサスの生活で学んだ事で、今後の新しい試みとして目標を立てました。

 

 

◎家庭

(1)夫ノートの作成

(2)奥さんに喜んでもらえる活動を週一回

(3)貯金+100万円

いままでは、大学院生として勉学に集中していましたが、これからは夫として必要な知識を身につけるために、夫ノートを作成していきます。週一回程度何かテーマを設けて勉強する習慣をつけます。

奥さんに喜んでもらえる活動は、例えば料理や、大掃除など、普段任せている家事を進んでやりたいと思います。週一回とは言わず、最終的には家事分担まで進めたいと思います。それに加えて、少し凝った料理とか(居酒屋メニューとか)いろいろ挑戦していきます。

お金のかからない贅沢をして、貯金を増やします。もちろん、4月以降の職によりますが、できれば月8万円くらい貯金できたらいいなと思います。

 

 

◎趣味

(1)英語学習TOEFL90点orTOEIC800点

(2)夫婦海外旅行

(3)新しい趣味を開拓

英語は今後も学習していきたいので、妻とともに英語学習を趣味としたいと思います。学生中にTOEFLかTOEICを受験して目標スコアを取りたいと思います。

また、夫婦で海外旅行に行きたいです。実は旅行では、まだ二人で海外に行った事がありません。是非ともこの目標を達成したいです。

毎年達成できていない目標ですが、今年こそは時間をとって興味のある事を見つけたいと思います。

 

今年は区切りの年であり、新しい出発の年でもあります。自分の人生をより豊かにできるように、3つの要素をバランスよく努力をしていきたいと思います。

 

本年もどうぞ宜しくお願いします。

2016年の総括

今年も大晦日になりました。今年1年の総括を行います。

今年は激動の一年となりました。テキサスA&M大学留学がメインでしたね。

 

さて、今年のテーマは「挑戦」でした。

masa-saito.hatenablog.com

 

3つのトピックについて振り返ります。

 

◎学業 

テキサスA&M大学に滞在していますが、その間にできるだけ「勉強」をして、研究では「結果」を出したいと思います。具体的には以下の3点です。 1)10月末までに論文を欧米国際誌に投稿 2)学位論文の執筆 3)放射伝達・逆問題解法・光散乱理論の習得

2016年の抱負 - テキサス研究留学日記

(1)については、10月上旬に某米国科学雑誌にテキサスでの仕事内容の論文を投稿しました。

個人的には、いい仕事ができたと思います。一つのテーマに向き合って、急ぎながらもじっくりと研究を行うことができたのが最も大きな収穫です。

(2)も達成しました。夏休みから博士論文をちまちま編集していました。帰国する頃には全体の9割以上を書き終え、現在は英文チェックを残すのみです。

(3)については、もう少し深く勉強したいとは思ったのですが、時間は有限なので。それは、これから3ヶ月まとまって時間が取れそうなので、卒業までにしっかり勉強したいと思います。

 

その他、米国国際科学誌に主著論文2本、日本国際科学誌に共著論文1本(第2著書)を出版しました。じっくり研究もできたし、研究成果もたくさん発表することができました。

 

◎アメリカ生活

今年は、「人間活動」の代わりにアメリカでの生活について目標を立てます。 特に英語について、 1)日々の生活の中で「Sorry?(え、なに?)」を使用しないようになる(リスニング力の向上) 2)日々の生活で「Sorry?(え、なに?)」を言われないようにする(正しい英語の習得) 3)会話の途中で沈黙しない(会話の流暢性の向上)

2016年の抱負 - テキサス研究留学日記

(1)は最初と比べてだいぶ減りました。しかし、なかなかこれは高い目標を立ててしまったと後悔(笑)。これについては、今後も継続して頑張っていきたいです。

(2)、発音はなかなか矯正するのは大変でした。特に'th'とか'f'の発音が通じづらくて大変でした。これも今後も継続して頑張っていきます。

(3)これは、ほとんどなくなりました。ある程度日常で使う単語は頭に入ったのかもしれませんが、これも今後も続けていきたいと思います。

 

英語は、たかだか9ヶ月の海外生活ではなんとかなりません(特に語学以外の目的の場合)。地道に学習を重ねて英語を上達していきたいですね。

 

◎趣味

趣味も犠牲にせずに、on/offをはっきりしてやっていきたいと思います。 1)ウォルトディズニーワールド旅行(チケット手配等も兼ねて) 2)週1回程度のカレッジステーション自転車散策 3) アメフトと野球の観戦

2016年の抱負 - テキサス研究留学日記

 (1)は予定を変更してニューヨークへ4泊5日で行ってきました。(2)は夏のカレッジステーションが暑すぎて春だけ達成しました(笑)。

(3)については、アメフトの観戦はシーズン期間が合わずにできませんでしたが、メジャーリーグの試合を2試合観戦しました。

 

最初の4ヶ月は苦しいことが多く、趣味にあまり時間を割くことができませんでしたが、夏以降はテキサスを楽しむことができました。

 

今年は激動の一年でしたが、最も充実した、最も仕事と私生活のバランスが良い一年となりました。さて、来年はいよいよ研究者(博士)としての第一歩を踏み出すときです。これまで以上に充実した一年を送って、しっかり社会や科学界に貢献します。

 

 

それではみなさん、良いお年を〜! 

人生の足跡【今年の抱負・総括】

2008年から緩く始まった1年の抱負を元旦に、総括を大晦日に行う習慣。毎年恒例となりました。

自分が今までどんなことを考えて何をやってきたかを、この記事を見て思い出すことができるので、人生のメモ代わりに残しています。

 

2008年【スタート】

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2009年【貪欲】

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2010年【自分への投資】

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2011年【夢を叶える】

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2012年【準備】

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2013年【自分との闘い】

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2014年【原点回帰】

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2015年【殻を破れ】

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2016年【挑戦】

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2017年【"自分らしさ"をみつける】 

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2018年【進化】 

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これからも続きます。人生が続く限り。

学振面接!(実践編)

こんにちは、Mr. Saitoです。

前回、海外学振の面接の流れについてまとめました。

 

masa-saito.hatenablog.com

 今回は、実践編と称しまして私の体験談を載せます。

是非、反面教師にしてください(笑)。

 

 

学振面接(私の場合) 

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◎事前情報

  1. 私の面接時間は14時10分から
  2. テキサスから帰ってきたばかりなので、ケータイ電話が使用できない

 

12:50 潮見のホテルにて、髭を剃る途中に髭剃りの電源が落ちる。なんだか悪い予感。とりあえず慣れないカミソリで髭を剃る。

 

13:00 ホテルを出発。順調にいけば面接開始の30分前までには着くはず。

 

13:30 四ツ谷駅に降り立つ。ここから徒歩5分ほどで弘済会館に着くはず。

 

13:40 なかなか弘済会館が見つからない。もしやと思ってタクシーを止めて運転手に訊くと逆方向に歩いていたことが発覚。タクシーに飛び乗る。

 

13:45 弘済会館に到着。久しぶりにタクシー1メーターで乗った。

 

13:50 面接会場を探すが、特に学振の面接と書いていない。焦り始める。

 

13:55 学振の会議と書いてあった会場に入る(でも明らかに面接とは書いていない)と、偉い人たちの会議中であった。自分が学振の面接を受ける旨を伝えると、隣のビルでやってると教えてもらった。深々と一礼して隣のビルへ行く。

 

14:00 3Fの面接会場に向かうた目のエレベータの扉が開くと受付の人がいた。名前を述べると「お待ちしておりました!」

 

14:02 面接が少々早く進んでいるので急いで準備をしてくださいと言われる。プロジェクター接続確認をして、資料を15部印刷していることを伝える。すぐに面接会場に案内される。

 

14:05 いよいよ名前が呼ばれ、面接会場に入る。プロジェクターにつなげてプレゼン開始。

 

プレゼンは一語一句暗記して行った。しかしながら、緊張から噛んだり、つっかえたりすることが多く、結局最後のスライド説明で2行ほど飛ばして説明することになった。

 

プレゼン時間はおよそ4:01と完璧。

 

プレゼンの内容としては、手法の説明は易しいものにして、この研究がもつ波及効果など、インパクトを重視したプレゼン内容にしていた。

 

質疑応答で訊かれた質問

 

Q1 能動型観測測器と受動型観測測器を使う理由は?(審査員A:専門的)

Q2 (測器を)二つ使う利点は?(審査員A:専門的)

Q3 テキサスA&M大学に滞在していたとあるが、研究環境はどうだったか?(審査員B: 専門外)

 

Q1の質問に答えると、質問の意図が少し違ったようで、Q1に補足した質問がQ2できた。この時点で大きな失敗をしたと落ち込む。

 

質問者がこの研究に対して専門知識があるようだったので、Q2では詳しく説明した。

Q3でどうでもいいような質問が来たので、「ああ、これは落ちたかもな」と思った。とりあえず、研究環境が非常に良いので、向こうに行ったらたくさん成果が出せそうだということを匂わす発言をしておいた。

 

9分を知らせるベルが鳴ると、退出を促されてプレゼン終了。

 

 

学振面接の反省(私の事例)

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まず、前日まで資料作りしている時点で準備不足感は否めない。

個人的には1週間前までには完成させ、発表練習を繰り返していくたびに改訂を重ねる。3日前には完成版を確定させ、資料を印刷して後はひたすら練習しておけば良い。

また、一語一句暗記はあまり良くないと思う。とくに融通が利かなくなり、練習と違う状況になると焦りが出る。

自分の場合、プレゼンには苦手意識はなく、原稿を用意せずに頭で考えながら発表を行うスタイルを好むので、いくら4分といっても述べるべきポイントだけ決めて臨めばいいのではと思う(その代わりものすごい数の発表練習を行う必要があるが。)。

また、スライドの内容は、15人の審査員全員に理解できる内容にすると、数人の専門的知識を持つ審査員に対してかなり物足りない印象を与えることになる。

最初にビッグピクチャーを見せて、手法や研究の売りなどは専門家向けに作ってもいいかもしれない。僕は手法をあまり詳しく説明しなかったので、質問を受けた。スライドごとに、専門家向け、一般向けにするなど併用したほうが良いだろう。

 

今回は、書類を提出時と比べて主著1本共著1本を上乗せしたので、それがどれだけ評価されるかで勝敗が決まると思う。おそらくプレゼンでは点数を稼げていないので。自分が審査員だったら、合格はさせていないかもしれない。

 

学振面接結果

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落ちたかな?受かるといいな。

 

 

 

そう願いながら待ちに待った採用内定発表の日、Web画面に出た結果は…

 

 

 

 

 

 

 

補欠。

 

 

 

進路が決まらない…

学振面接!(基本編)

こんにちは。おひさしぶりです。

 

長らく更新が滞っていましたが、ようやく一つ研究の目処がついたので、更新を始めます。

 

実は今年の9月末に学振の面接を受けるために急遽帰国していました。そうです。海外学振です。その準備から面接受験までのドタバタまでを(自戒の念も込めて)まとめます。

 

学振の面接資料作りや面接の体験談などは多くのサイトですでにまとめられています。

しかしながら、当日の詳細を時系列でまとめているサイトは思いのほか見つかりませんでした。そこで、まず、学振面接!(基本編)と題して、面接当日の時系列をまとめます。

 

学振面接の時系列

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面接当日の流れ(面接開始時間を14:10とする。)

 

13:30 スーツ姿で四ツ谷駅に降り立つ。

 

13:30 四ツ谷駅麹町口を出て、新宿通りを横断し左方向へ進む。

 

13:35 5分弱歩くと屋上の看板に「弘済会館」と書かれたビルがある。学振面接会場は小さい道を挟んだ手前のビルである。面接時間の30分以上前までに着く必要がある。

 

13:36 エレベータで3階へ行き、ドアが開くと目の前に受付の女性がいる。

 

13:37 名前を告げると待合室に連れて行かれ、プロジェクターとの接続チェックを促される。その際、資料(15部)を印刷しているかどうか訊かれる。

 

13:38 待合室には数人の人が面接時間を待っている。みんなスーツだった。

 

14:00 時間になったら待合室から出て、面接会場の外のパイプ椅子で待つように言われる。お姉さんに誘導される。

 

14:00 面接会場は領域ごとに分かれており、例えば、化学、数物科学、生物学、医歯薬学などといったところだ。数物科学の部屋の前に案内された。

 

14:01 ノートパソコンとプロジェクター接続コネクタを持って、パイプ椅子に座って待つ。

 

14:05 資料は係りのお姉さんに渡す。リュックを持参したが、出番になったらお姉さんが持ってくれる。心配ご無用。

 

14:09 前の人の発表が終わるとドアが開く。ただこの時は部屋に入らず、お姉さんが資料を審査員に配る。

 

14:09 入ってくださいと言われると、部屋に入る。その際「失礼します。」と“一応”一礼。

 

14:09 中に入ると15名程度の審査員とベルを鳴らす方がコの字状に座っていた。

 

14:10 入室後、速やかにプロジェクターにノートパソコンを接続する。接続後、「準備できました」という顔をする。

 

14:10 中央に座っている審査員が、「それでは、名前と研究科題名を述べてから発表を始めてください」というので、自分の名前と研究科題名を述べる。

 

14:10 自分の研究科題名を述べると、係りの人が始まりの合図であるベルを鳴らす。ここから計4分の発表時間が与えられる。

 

14:14 4分を過ぎるとベルが鳴る。特に説明はないが、速やかに発表を終わらせなければならない。

 

14:14 発表を終えると、中央に座っている審査員が「それでは質疑応答に移ります」と述べる。

 

14:14 中の15名の審査員は、数物科学領域の研究をまんべんなく評価できるようになっているはずなので、自分の専門分野の審査員は多くて2人か3人であろう。

 

14:19 9分を過ぎるとベルが鳴る。発表・質疑応答で計10分と聞いていたが、おそらく終了の目安であろう。

 

14:19 キリのいいところで、中央の審査員が「それでは質疑応答を終わります。速やかに退出してください」と述べるので、退出する。

 

14:19 リュックを運んでくれたお姉さんが微笑んで迎えるので、リュックを受け取って、面接終了。

 

 

 

以上。これは面接受験後30分で殴り書きしたものである。

過去の面接受験者に訊いても、例年面接の流れは変わらないそうなので(ポスター→スライドとなったが)、参考にしてもいいのではないかと思う(ただし責任は取らない)。

 

 

次回は、私の経験談を述べたい(重要なので繰り返す。自戒の念を込めて。)

 

 

masa-saito.hatenablog.com

 

それでは!

テキサス研究留学日記(3)〜到着から1ヶ月まで〜

こんにちは。Mr. Saitoです。

 

前回の続きです。

masa-saito.hatenablog.com

 

アメリカでの新生活

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上空1万メートルで迎える夜明け。轟音の中、眼下には朝日に照らされて眩しく輝くアメリカの大地が広がっていた。寝不足の中、飛行機は予定通りヒューストンに降り立った。

ここから乗り継ぎで大学のある街へ向かう。不安なほど小さな機体に体を押し込め、地平線広がる大地の真ん中に向かって飛行機は降下を続けた。

 

ここはヒューストンから100マイルほど北に位置するブラゾス群カレッジステーション。テキサスA&M大学がある街だ。学生は5万人を超える全米を代表するマンモス大学だ。

 

小さな空港に降り立つと、中国人留学生のYが迎えに来てくれていた。今から3週間ほど前の国際学会の時に会って、生活のスタートアップを手伝ってくれるということだった。

 

時差ぼけと寝不足で頭がぐるぐるする中、携帯電話の購入、銀行口座の開設、住居の契約を行った。流暢なアメリカ英語は何度聞いても自分の頭の中に入ってこず、契約書の内容の10%も理解できないまま恐る恐るサインをした。

備忘録だが、銀行口座の開設には住所が必要(ステイトメントを送るため)。住居の契約には銀行口座が必要であり、SSNがない滞在者は、非常に面倒であった。結局先に銀行口座を開設し、その時はYの住所で登録し、住居の契約後に住所登録を変更した。

 

全て終わったのが午後3時頃。それまで何も食べていない。。。

その後、Y行きつけの中華料理屋さんで食事(朝食?昼食?)を取ったが、あまりの空腹と寝不足や時差ぼけからくる体調不良で、あまり食べれなかった。入居日まで1週間あるので、しばらくホテルに滞在することになった。

 

それから1週間は、街を歩き回り、土地勘をつけていった。一日の歩行距離は7kmから10kmにもなった。これから研究生活をする大気科学専攻へのcheck-inや、留学生用のオリエンテーションなどを受けて、いよいよオフィスに自分のデスクも与えられた。

 

引っ越しは大変だった。旅行鞄4つを転がしながらホテルから引っ越し先までの4kmの道のりを歩く。大変すぎて途方に暮れていると、一台の車が止まり手招き。引っ越し先まで乗せていただいた。アメリカ人は優しい。

その後、後輩Hにも手伝ってもらって新生活用品の購入などを行った。この1週間は、自分の英語力の無さに絶望していた。コミュニケーションを取ろうにも相手の言っていることがわからないのだ。自分の意見を伝えることはできるのだが、受け取ることができない、苦しい日々が続いていた。

 

研究生活もスタート

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いよいよ研究活動が始まった。とはいっても、急遽研究計画を変更したので、文献調査から始める。なかなかトガった計画書を書いてしまい、「実・現・可・能・性」の言葉が常に頭の上にちらついていた。そこに、こちらの大学で指導教員のY先生が来て、一言。

 

Y先生「そういえば、H後輩と同じような研究計画だったよな。こんな研究したらどうだ?」

俺 「」

 

地上観測で雲の特性を推定する研究をやる予定が、先生が勧めてきたのは衛星データを活用した研究、というよりは、衛星データを使ってなんかやってみたら?というざっくりしたものだった。ここに来てまた研究計画変更か。どうしようか。

でも、この時は、この流れに乗ってしまおうと思った。どうせ今の研究計画もできるかどうかわからないのだし、新しい環境に来たのだから、新しいことをやってみよう!決めてからは行動が早く、ここから2週間は文献調査に費やした。研究アイデアノートの隅っこに似たような研究アイデアがあったので、過去の自分に感謝した。かなり手法的に難しさを伴うが、それゆえできた時のインパクトが大きいのでやる気になった。

 

授業も始まった。統計学の先生にお願いして授業を聴講させてもらうことになった。英語にまだ耳が慣れないが、授業で扱われる専門用語の語彙が増えてきて、だんだん慣れてきた気がする。

 

事件発生

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ある日曜日の朝、今日は大学に行こうかなと準備しながら外を眺めたところ、あるはずの自転車がなくなっていた。絶望した。買って二週間、非常に気に入っていたのに、窃盗にあってしまった。ようやく生活がうまく走り出したのに!!

 

一筋縄では行かせてくれないのだな。これから一体何が起こるのだろうか?

テキサスに来て1ヶ月が経とうとしていた。

 

 

続く。