テキサス研究留学日記

テキサスに放牧された大学院生が博士号を取るまでの奮闘記と、その後の話。

晴天性積雲

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今日の午前中は家で共著者から送られてきた論文の原稿をチェックして、午後に研究室へ。

 

休日の大学は静かで好きです。明日は日本にいる指導教員へ、月一回の研究進捗報告をする日なので、やることが多いです。。。

 

いつも通りお尻に火がついていますが、頑張ります。

 

写真は大学から見上げた空。

海外のススメ:一人でシンガポールに行ったら人生が少し変わった件(前編)

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こんにちは。Mr. Saitoです。

 

これはもう6年くらい前の話になりますが、一人でシンガポールを旅行しました。その時の経験がその後の人生に少し影響を与えたので、今日はその出来事について触れます。

 

それは大学2年生の初夏、肺炎を発症してしまい、それから9月末まで療養生活をしていました。自由な時間が豊富な大学生の夏休みを棒に振ったわけです。実家にて、ずっとベットの上で部屋の天井を見つめる生活をしていましたが、その時唯一の楽しみだったのが旅ブログ、旅動画を見ることでした。

 

もともと旅行が好きだったので日本や世界を回る旅ブログを見つけては1から読み、また電波少年のヒッチハイクや水曜どうでしょうのサイコロや原付の旅を見ていました。こうして、毎日脳内旅行をすることによって、療養で何もできないストレスを発散して行ったのです。その中で、旅の計画を立てずに自由気まま旅をするバックパッカーに対する憧れが、日に日に増していくことに気付きました。

 

いいなあ、自分もこんな旅をしてみたいな。

 

心の奥底にあるこの想いが時間をかけて無視できない存在になっていきました。

 

 

悩むよりも一歩踏み出してみよう!

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こんなことがありまして、一年後の大学3年生の夏休みの時、1週間だけバックパッカーをやる決意をするわけです。決断してから行動が早いのが私の取り柄。初めてのバックパッカーに易しそうなシンガポールに行き先を決め、その日のうちに1週間後出発の航空券を購入し、両親に連絡しました

 

Mr. Saito 「一週間後に一人でシンガポール行ってきます。」

Mr. Saito父「どこに泊まるんだ?」

Mr. Saito 「着いてから決める。」

Mr. Saito父「ダメだ。宿泊予約表を見せないと行かせん(怒)。」

 

一度Noと言ったら何を言ってもNoとなる頑固な父。仕方がないので今回はホテルを予約することに。しかし、バックパッカーの自由な旅を少しでも体験したいと考えていた私は、ホテルの予約をわざとシンガポール到着日の翌日からにしたのでした(父には内緒)。これで1日だけだが本当のバックパッカー体験ができる!胸を躍らせながら出発の日を心待ちにしていました。

 

そして一週間後、単身シンガポールへ飛び立ちました。

 

自由気ままに旅をして、旅仲間と会話を楽しんで有意義な一週間にしよう。そんな描いた青写真がガラガラと音を立てて崩れたのはシンガポールについて30分も経っていなかったと思う

 

後編へ続く。

 

masa-saito.hatenablog.com

 追記:後編書きました〜!

 

写真をイジっていたら空が青い理由を理解できた話

こんにちは。Mr. Saitoです。今日は青空の話。

 

普段目にしている青空ですが、どうして青いのかと考えたことはありますか?

そもそも、太陽がある方向以外がどうして明るくなるのかという疑問が浮かぶと思います。

 

それは、太陽光が窒素や酸素などの大気分子によって散乱されるからです。だから太陽光差し込まない夜間は、それによる散乱が無いので、宇宙の彼方にある星や天の川が見えるというわけです。

 

でもここでまた一つ疑問が浮かびます。

 

太陽光は白色なのに、どうして散乱された光は青いのか?

 

この疑問に答えるために一枚の写真を引っ張り出してきました。これをじっくり見ていきます。

 

太陽光と大気分子が空の青色を生み出す

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この写真は、飛行機から撮影した空の写真です。海の青色、雲の白色、空の青のグラデーションがとても綺麗ですね。注目してほしいのは青空の部分です。大気中には窒素や酸素などの大気分子が豊富に存在します(どれくらいあるかというと、平均的に気柱積算*1で1013 hPaくらいあります)。

 

目に見える光は大気分子によってレイリー散乱*2(Rayleigh scattering)を引き起こします。

 

散乱された光がどうして青くなるのか?このレイリー散乱に関する一つの数式を導入します。

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これは、どのくらいの光が散乱されるか、その度合い*3を表しています。rは大気分子の半径、nは散乱を引き起こす媒質の性質を表しています。λは光の波長を表しています。

 

いきなり専門的になりましたね。ここからわかりやすく噛み砕いていきます。

 

いま、大気分子による散乱を見ているので、r, nについてはここの大気分子の大きさ性質はほぼ同じなので定数として無視しましょう。すると、波長λが残ります。

 

波長λは分母にあり、その分数は4乗されています。つまり、光が散乱される度合いは波長の4乗に反比例することがわかります。じゃあ、赤色の光と青色の光でどれくらい散乱される度合いが違うのか、その比をとってみましょう。

 

波長は青色の場合はおよそ450 nmくらい、赤色の場合はおよそ600 nmくらいとしましょう。 赤色の散乱の度合いに対してどれくらい青色の散乱が強いか求めるためには、赤い光のCを分母に、青い光のCを分子にして計算します。

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波長λ以外は全て同じなので、結局4/3の4乗となりますね!だいたい3倍です。よって、青色は赤色よりも約3倍程度散乱されやすいということが推測されました。ではそれを実際の写真をイジって確かめたいと思います!

 

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さっきの写真

 

この空の写真を赤色と青色に分解してみます。水平線付近の空にご注目ください。

  

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 上の写真が青色、下が赤色に分解した写真です。青色の水平線付近の方がぼやっとした印象ですよね。まさしくこれが、太陽光が大気分子によって散乱された光になります!赤色と比べると一目瞭然ですね!!

 

理論式通り、青色の方が強く光が散乱していることがわかりました。この理論を初めて導出したのがRayleigh卿。1871年のことでした。

今から145年前と考えると、結構最近ですよね。地動説で名を馳せたガリレオガリレイも400年位前の話ですものね。じつは、散乱は奥が深くて現在もなお新たな理論導出が活発に行われている分野なのです。

 

結論:空の色が青い理由は大気分子によるレイリー散乱の強度が波長の4乗に反比例しているから。

 

空が青いのは分かったけど、じゃあ夕暮れになるとどうして空が赤くなるの?

 

これについてはまた今度ゆっくり。

 

それでは!

*1:大気を高さ方向に積算した時の合計

*2:散乱には3種類あります。我々の目に見える光(可視光)の波長に対して大気分子は十分小さいので、レイリー散乱となります。

*3:専門的には「散乱断面積」といって、分子に向かって光の束が入射したときに散乱の効果を受ける面積を意味する。

どんぐり

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たくさん落ちてるから、食べ物には困らなさそう。

それにしても、アメリカにはリスが其処彼処にいるね。

 

こんなに可愛いのに、病気になるので手を触れてはいけません。

 

金曜日の夕方の一枚でした。

 

留学してみたい!そんな人へ

こんにちは。Mr. Saitoです。

 

今日は留学について少し書きたいと思います。 

前回の記事で、私が留学中であることに軽く触れました。

masa-saito.hatenablog.com

漠然と留学してみたいって思っている方いませんか?

 

社会に出る前に、海外の文化に触れたい。

語学力を武器にしたい。

「海外留学」を履歴書に書きたい。

 

動機は何でもいいのですが、本当に思い立った時には、もう遅かった。なんてこともあると思います。ここでは、留学を考えている方、または少しでも興味がある大学生や大学院生に対して役立つ情報をのっけようかなと思います。

 

留学にはいくつか種類があります、そしてハードルもそれぞれ異なります。短期(数週間〜数ヶ月)と長期(半年〜1年以上)に分けて説明していきます。

ちなみに、私の知る限りの情報しか載せません。調べればいいのですが、ね。。。

自分の経験や周りの友人の経験を参考に説明していきます。

 

 

短期留学の方法

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思いつく限りでは以下の選択肢が考えられます。

  • 語学学校に入学
  • 大学の短期留学・海外インターンプログラム

語学学校は自費になりますが、最も簡単な方法になります。事前の英語試験など一切ありません。私自身、2012年にフィリピンのセブ島に1ヶ月語学留学に行きました。学生時代コツコツ貯めた貯金から出しましたが、学費、旅費、生活費込みで1ヶ月間だと20万から30万円程度だったと思います。思い立ってから3〜4ヶ月で留学ができると思います。ちなみに、留学前の私の語学能力は、散々で、自分の意思を伝えることができない程度です(全然だめじゃん!)。それが、1ヶ月頑張った結果、外国でも生活できる程度になりました(かなりの向上)。

  • 2011年10月下旬:フィリピン留学の資料を取り寄せる
  • 2011年11月上旬:代理店に問い合わせ、語学学校を決定
  • 2011年11月下旬:航空券等を購入
  • 2012年2月中旬:フィリピンへ語学留学

フィリピン留学の詳しい話はまたの機会に。

 

他方、大学の短期留学や海外インターンプログラムは、プログラムにもよりますがTOEICやTOEFL(ITP)の点数が必要になるようです。私の研究室の同期が大学の留学プログラムを利用していましたが、彼は5ヶ月前から準備をしていました。TOEIC受験も考えるとそれよりも前かもしれません。費用はプログラムによって異なるそうです。私の友人は留学費用の大部分を自費で払っていました。

 

長期留学の方法

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半年以上の留学となると、余程お金がないと自費での留学はキビシイです。

  • 海外の大学・大学院に入学
  • 大学の交換留学プログラム
  • 研究費を用いた留学(研究滞在)

海外の大学や大学院に入学する場合は、TOEFL iBTやIELTSの他にも入学に必要なテストもあるため、最もハードルが高いです。アメリカの大学院に限ると、大学の成績がGPAが大体3.8くらい(コレがどれだけ凄いかというと、成績表を眺めたらAAABAAABAAAAAAAAABBAって感じ)、TOEFL iBTのスコアも80~100点前後無いと難しいです。留学先の日本人に聞いたところ、準備期間は2年から3年でした。また、学費が高いため、研究室の先生に雇ってもらいながら大学に通うそうです。

 

大学の交換留学プログラムは、準備期間が1年前後で、やはりTOEFL iBTのスコアが最低80点以上は必要です。また、渡航費などは出ますが、生活費など留学にかかる費用の半分程度は自己負担のようです。アメリカでは、8月渡航・翌年5月帰国の日程で、2セメスター分の授業を受けられるようです。

 

さて、残る1つは研究費を用いた留学。私はコレで現在留学しています。他の2つと大きく異なる部分は、留学目的が「研究」であるということ。また、授業は聞けても単位は取れません。しかし、TOEFL iBTの要求されるスコアや費用についてはかなり易しい/優しいです。

 

次回、研究費を用いた留学(研究滞在)について、詳しく書きます。研究者になりたい人は必見(かも?)

 

それでは!

鍵を忘れてしまって

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今日はバス通学でした。大学の駐輪場で鍵を忘れたことに気づき、自転車をロックできずに、研究室にも入れませんでした。

 

一旦家に戻る…

 

まぁ、こんな日もあるかな。

 

それでは!