テキサス研究留学日記

テキサスに放牧された大学院生が博士号を取るまでの奮闘記と、その後の話。

第8回全日本ラクロス大学選手権大会・準決勝(神戸大学 vs 東北大学)

こんばんは、Dr. Saitoです。

 

研究者として、日々研究に励んでいますが、実は昔はスポーツマン。大学ではラクロスに没頭していました。

当時副キャプテンだった頃は、全国大会に出れるほど強くはなかったですが、最近の後輩たちは3年連続で全国大会に出てくれています。youtubeで後輩たちの勇姿が見れるので、ここに載せておきます。

 

2016年11月20日

第8回全日本ラクロス大学選手権大会・準決勝


【ラクロス Lacrosse】神戸大学vs東北大学 1Q-2Q【全日本ラクロス大学選手権大会】格闘技Japan Collegiate Championships

 


【ラクロス Lacrosse】神戸大学vs東北大学 3Q-4Q【全日本ラクロス大学選手権大会】格闘技Japan Collegiate Championships

リモートセンシングの光と闇

こんにちは、Dr. Saitoです。

 

懐かしの日記転載シリーズ。これは、2016年の博士課程3年生の時に後輩と話していたことの備忘録です。当時は、研究があまりうまくいっていないせいか、かなりネガティブに考えていました。

 

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とある日の後輩との議論の備忘録。

まぁ、端的に言えば、自分の研究にエキサイトしてないな〜って話。 

 

まずは、私の研究対象について簡単に紹介する。

 

 

リモートセンシングとは

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Remote sensing: リモートセンシングとは、地上、人工衛星、あるいは航空機に搭載された測器を用いて測器から離れた対象物を観測することであり、遠隔探査と訳す。

 

例えば、人工衛星から積乱雲や台風の特徴を測るのもリモートセンシング技術が必要だし、身近なことだと、車の自動ブレーキも広義のリモートセンシング術と言えよう。

 

実はこれが今私が取り組んでいる研究のテーマであり、かれこれ4年間リモートセンシング技術の開発に携わっている。

 

何故、リモートセンシングの世界に飛び込んだかというと、主に以下の2つである。

  • 学習の自己鍛錬
  • 好奇心

リモートセンシングは、基盤となる放射伝達理論はもとより、光散乱理論、統計理論、誤差伝搬などといった様々な知識を必要とする。よって、この学生期間にしっかりと学習できると思っていたことが一番の理由である。

また、ただの電磁波の信号を物理的に解釈して、雲の厚さや粒の大きさの情報を推定することができるので、「なんて興味深く、刺激的で、面白いんだ!」と思ったのも大きな理由であり、この好奇心が研究を続けるエネルギーの根源になっている。

 

大気科学分野に限って話しても、リモートセンシングによって推定する対象は大気微粒子*1や雲の特性、温室効果ガスから地表面特性まで多岐に渡る。

 

それぞれの対象に合わせてアルゴリズム*2をデザインする。上質なものだと立案からコード開発、完成まで最短でもおよそ1年かかる。

 

 

楽しかった博士前期と鬱々とした博士後期

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博士前期では、夢中になって勉強しては試行錯誤を繰り返す過程が楽しかった。早くアルゴリズムが動くようにしたいと思い続けながらあっという間に過ぎた(完成は修士論文提出直前となり、3日連続徹夜するなどドタバタした)。

学ぶこと全てがキラキラして見えたし、リモートセンシングの魅力にどっぷりと使っていたように思う。

 

しかし、博士課程後期に入り、そのキラキラはだんだん薄れてきた。学べば学ぶほど、元をたどれば全て同じ理論にたどり着く。結局既存技術の組み合わせの問題で、この研究で何ら新しいことをしていないのではと疑問を持つようになった。自分の研究のオリジナリティとは何か?この研究、自分ではなくてもできるのではないか?それなら、自分が研究者であることの意義は何か?

 

このようなことをぐるぐると考えては苦悩の日々を過ごしていた。なぜこうなってしまったのか。原因はわからないが、悩んでいても仕方がないので以下の解決方法を考えていた。

  1. 先人の知恵を見ないで自分で突き詰めていく
  2. 諦める
  3. とことん深く勉強する

1と3は似ているようで違う。ちなみに、同じ分野の後輩は、一時的に(2)を選んでいた。

 

私はどうだろう。

 

 

結論は出ていないけど、研究者は先に進むしかない。博士を取る頃には、結論出ているといいな。

 

2016年6月10日 記

 

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さて、現在実際に博士号を取ったので、およそ一年前の疑問に答えを与えることとしよう。

まず、その後この研究はどうなったかというと、既存の手法に則ってはいるものの、複数の手法を組み合わせた点や、誤差解析などを緻密に行った結果、新しい物理量の定量的な推定に成功しました。これは、個人的には胸を張ってもいい結果だと思っています。

それが博士論文の本丸となり、学位取得に至りました。

 

既存の手法でも、組み合わせのアイデアや緻密な解析は誰もができることではありません。机上の空論は誰ても展開できますが、それを実際のシステム・プロダクト開発となるととてつもない苦労を強いられます。でも、それをやったのですから、誰でもできるとは思っていません。これこそが、自分が研究者であることの意味づけになった気がします。

 

既存の手法を組み合わせ、膨大な作業を要するが、なるべく近似を用いずに物理法則に則って解く。それをコツコツと積み重ね、新しい知見を生み出す。

 

 それはとてもエキサイティングなことではないか!!

 

今でも、リモートセンシングの研究に携わっていますが、毎日楽しいです。

というわけで、当時の悩める私に対しての答えは、

「研究における"自分らしさ"を誇りにもって、邁進する」

です。

 

これからも頑張るぞ。

*1:大気中に浮遊する微粒子。黄砂やPM2.5などがある。

*2:物理量を推定するための方法・手続き。主にコンピュータ言語を用いて構築する。

また、次のステップへ

こんにちは。Dr. Saitoです。

 

懐かしの日記転載シリーズ。第一弾として、2014年の3月末、博士課程が始まろうとしていた時の心境と決意の日記です。文字数は少ないですが、これを読んでいると当時の心境が鮮明に思い出されます。備忘録用にこちらに載せます。

 

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長期の旅行から帰ってきました。

その話はまた別の機会にしようと思いますが、普段味わえない非現実を楽しんで参りました。

そして仙台に帰ってきて、さてまた日常だ。

 

 

 

と思っていたのですが、なんだか自分の仕事場である研究棟の雰囲気がいつもと違う。

なんか、ひんやりとしていました。

 

 

どうしてだろうと思い、ふらふらと研究棟を回ってみたところ、

 

同期達の机の上が綺麗に片付いていた。

 

そうか。もうそれぞれの人生を歩むために旅立ったのだな。

 

まだ数人、学校に残る人もいるけれども、それでもこの現実に直面し、

 

あぁ。自分はDに進学するのだなという強い実感と、幾ばくの寂しさを憶えた。

 

それとともに、自分の選んだ道に対して改めて覚悟の気持ちが生まれた。

 

頑張ろう。これからの三年間が大事。

 

この寂しさを振り払うべく、研究に集中しよう。

 

というわけで明日からは、最新の研究成果を論文にするべく、執筆を始めます。

 

2014年3月16日 記

World Education Services (WES) で博士資格評価依頼

こんにちは、Dr. Saitoです。 

日本からアメリカの大学に研究者として勤める場合、渡航手続きの中でビザを取得する必要がある。多くの場合、該当するビザは2種類で交換交流ビザ(J)と就労ビザ(H1-B)である。

 

私の場合、いろいろゴタゴタがあって結局就労ビザをとって渡米を目指すこととなった。

 

日本で学位を取得した場合、与えられるのは博士(○学)であり、アメリカで一般的な哲学博士(Ph.D.)ではないため、博士(○学)がPh.D.と同等であることを証明する書類(Credential Evaluation)が必要なのだ。

 

この証明を行なってくれる企業の一つであるWorld Education Services (WES) を通して、今回私の博士資格の証明を行なった。

www.wes.org

 

基本的な手続きのやり方は以下の2つの記事が参考になった。

studyusa-log.com

WES申請方法 信用評価機関とWESについて アメリカ大学奨学金留学

 

 私の場合は、以下の7つの書類のうち1〜3と7は研究科長のサインを以って厳封し、4〜6はそのままにして、WESに送った。

  1. 学士の成績証明書(英字)
  2. 修士の成績証明書(英字)
  3. 博士の成績証明書(英字)
  4. 学士の学位証明書(英字)
  5. 修士の学位証明書(英字)
  6. 博士の学位証明書(英字)
  7. Doctoral Degree Confirmation Form

7の書類は、WESのHPから書類をダウンロードし、必要情報を記入してから大学事務に提出して、研究科長に封をしてもらう。

最初に送った時には、厳封せずに全ての書類を一緒にレターパックで送ってしまい、1〜3と7の書類を再送することになった。この辺はかなり厳しいようだ。再送してから、2週間弱でCredential Evaluationが発行された。

 

自分の場合は、運悪くGWとも重なり、手続きが遅くなったが、基本的には、アカウント登録をして(上のリンク参照)、必要書類を厳封して送れば、2週間程度で届く。

 

留学や、海外での研究職の準備をする方は、参考にしてみてください!

 

それでは!

SSN 取得について(H1-B visaの場合)

こんにちは。Dr. Saitoです。

 

テキサスに帰って来て一週間余りが経とうとしています。

 

ハリケーンHarveyの混乱の中、2日で生活に必要な最低限の備品を整え、勤務初日に早速プロジェクトを任されました。

 

時差ボケになる暇もなく、せっせと研究に励んでいるような状況です(少し時間ができた頃にまとめたいと思っている)。

 

さて、今日はSocial Security Numberの取得手続きをして来ましたので、備忘録に。と言っても、思っていたよりも非常に簡単でした。

 

Social Security Number (SSN)とは社会保障番号と言って、アメリカ国内で収入をを得る人に必要なものです。いわば、マイナンバーのようなもので、強力な身分を証明するものにもなる。

 

 

やる(やった)ことを箇条書き:

1)アメリカ出入国記録(Form I-94)を取得し、2枚コピーする。

URL: https://i94.cbp.dhs.gov/I94/#/home(注)米国国内からのみアクセス可能

2)SSN 申請書をオンラインからダウンロードして記入

URL: https://www.ssa.gov/ssnumber/(注)米国国内からのみアクセス可能

3)入国後10日から2週間経ったところで、最寄りのSocial Security Administration Officeに行く(予約可だが、なくても大丈夫)

4)Form I-94 x2を提出し、パスポートのコピーをとって提出する。

5)4営業日で発行手続きが終了し、それから1〜2週間で手元に郵送される。

以上です!

 

1、2はオンラインでダウンロードするだけ。

3は、入国の情報が社会保障局に伝わっていないと、手続きが大幅に遅れる可能性があるため、念のため10日〜2週間おくと良いそうです。

4も、H1-b visaなら面接もなく、ただの書類提出だけでした。他の人は、別室に連れて行かれたり、10分以上も面接していたりと時間がかかっている人もいましたが、就労ビザはそのような心配はいらないようです。

 

SSNが取得できたら、次はテキサス州運転免許証の再発行です。

続く。