テキサス研究留学日記

テキサスに放牧された大学院生が博士号を取るまでの奮闘記

テキサス研究留学日記(4)〜黎明期〜

こんにちは。

 

最後の更新から大分時間が経ってしまいましたが、記憶の続く限り書きます。

masa-saito.hatenablog.com

 

 苦しいアメリカ生活

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自転車を盗まれた日、そのまま大学へは行かずにとぼとぼとWalmartまで歩いて自転車を買いに行きました。約3 kmの道のりを歩きつつ、あと9ヶ月大丈夫だろうかと不安に襲われた。結局その日は新しい自転車を買ったあと、ショックもあってかだらだらと1日を過ごしてしまった。

 

さて、テキサス州は広大な土地にスーパーが点在しており、日常生活する上で車が必要不可欠である。今回の滞在ではお金の関係から車を所持することは断念したが、車を運転できる様にテキサス州の運転免許証を取得する必要がある。日本の国際運転免許証はテキサス州内では渡航後90日間のみ有効なので、その間にテキサス州の運転免許を取得する必要がある。

 

取得の流れとしては、まずインターネットを通じて筆記試験を登録し、運転免許センター(DPS)に赴いて受験をする。それに通ると仮免許状態となり、次にインターネットを通じて実技試験の受験を登録する。最後に、実技試験を通ることによって免許を取得する流れである。日本の様に運転講習プログラムが義務ではないので、実技試験で落ちることもしばしばある。また、運転免許の試験を受けにDPSに行く主な交通手段は車である。DPSは街のはずれに位置している場合がほとんどで、公共交通機関などほとんどないのである。

 

何のための運転免許なのだろうか?笑 ともかく、すでに1ヶ月経過している自分は免許の取得を急がなければならなかった。

 

ある日、人づてに聞いたレンタカー屋に徒歩で向かった。筆記試験を受けるためである。しかし、歩けども、歩けどもレンタカー屋が見つからない。まずい、受験時間に間に合わなくなるぞ、とうとう覚悟を決め、近くの車修理店の人にレンタカー屋がどこにあるのか訊いた。

 

相変わらずの流暢な英語にまだ耳は慣れておらず、何度も聞き返す。なんとか、近くの道沿いにあること、歩くと結構かかること、お店の電話番号の情報を手に入れた。

 

俺「電話か・・」

 

自分にはまだネイティブとの電話でのコミュニケーションに自信がなかった、しかしやるしかない。覚悟を決めて、電話をしてみた。結果としてはやはり何度も聞き返すが、自分の伝えたいことをゆっくり話せば幾分伝わるのだと感じた。目印のある交差点まで迎えに来てくれることになった。本当に来るのだろうか?30分ほど待つと、一台の車が私の前で止まった。

 

俺「よかった、通じていたんだ」

 

話を聞いていると、レンタカー屋には借りられる車が残り1台だった。最終的にその車をレンタルしてDPSで筆記試験を受験した。車で30分の隣町の北の果てにDPSはあった。なんとか筆記試験に合格し、その日はことなきを得た。すぐに実技試験の予約を行った。

 

少しずつ蘇る雑草魂

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2月のある日、日本の大学で行っていた研究紹介をするセミナーを行った。ここに来て初めての英語でのプレゼンである。時間はたっぷり60分。ここ1週間はこの準備のために時間を割いてきた。なんといってもこれは自分にとってこの研究グループに溶け込むチャンスだからである。

 

現状では、一応研究室のメンバーとは挨拶をするが、英語力不足や研究の状況から自分が殻に閉じこもっており、一部のメンバー以外とはコミュニケーションが取れていなかった。なので、自分の研究成果を知ってもらうことで、この状況を変えようという試みである。

 

結果としては、自分の自己紹介も交えて上々な出来栄えだった。その日以来、明らかに研究室メンバーの反応が変わったと感じた。よく挨拶されるようになったし、談笑するようにもなった。1ヶ月を経過して、ようやく研究室メンバーに受け入れられたように思えた。

 

また、テキサスでの研究についても方向性が決まり、実現すればインパクトが大きい面白い研究を計画・立案した。ようやく光が差してきた。そんな心境になったころ、テキサスにきて2ヶ月が経過しようとしていた。

 

そんなある日、ついに運転免許実技試験の日が訪れた。場所はカレッジステーションから北に150km離れたWacoという町のDPSで行われる。しかしその日にやってしまうのである。DPS周辺まで来た時になんと道を逆走してしまった。日本の感覚がこの瞬間に蘇ったのだろうか?ショックを隠しきれずに運転免許実技試験を受けた。結果は言わずもがな、不合格。幾つか重要なポイントを指摘され、また頑張ってねと言われた。帰って急いでインターネットで受験登録をすると、国際運転免許証の有効期間ギリギリちょうど90日目の受験となった。つまり後がないのだ(仮免でも車を運転できるが、免許取得者を助手席に置かなければならない)。

 

俺「やったー」

 

満を持して望んだ運転免許実技試験@オースティンDPSでようやく合格を手にした。それはテキサスにきて3ヶ月が過ぎたことを意味していた。研究室の居心地は徐々に良くなり、毎日が楽しくなっていた。研究はもっぱらシステム開発でパソコンと向かう日々だが、To Do Listに記載されている項目が徐々に減ってきて、研究が進んでいることを実感している。ようやく歯車が回り始めた。ストレスからか毎日出ていた蕁麻疹もようやく治まってきた。ここから加速しよう。テキサスの短い春は過ぎ、夏が始まろうとしていた。

 

 

続く。